
鶴来の昆虫館に写生に出かけました。
金沢には少し足を伸ばすととても良い場所があります。
温室に多様な植物、無数に飛び回る蝶、これを乱舞というのだろう。
オオゴマダラ、クロテンシロチョウ、リュウキュウアサギマダラ
なかでもオオゴマダラが乱舞している。
少し念じるとこんなに集まってくる。
というのはうそだけど、
実際に頭に目に耳に、こんなにも集まってきて写生どころではない。
今日頭についている整髪材が原因らしい。
なにを勘違いしているのか顔に触手?口?が伸ばされ、
ピそ、ピそっ ピそ、ピそ
と舐められます。
少しひんやりしているところがゾワッとします。
足が忙しなく動き、こそばゆく
羽がシャワサワと、間近で風を起こします。
いくら蝶とは言え、こんなに集まると卵を産み付けられるのではないかとちょっとした恐怖です。
しかも温室でむっとしていてむず痒い。
それでもなんとか写生をしてきました。
外に出かけると自分が思っても見なかったことが起こります。
奇跡というには大げさですが、僕にとっては蝶と奇跡でした。

さて写生
写生は概念化している視覚の脱皮だと思う。
最初は蝶と思って描いている。
それだといつまでたっても蝶にはならない。
それは自分でも分かっていること、だけどここからいつも始まります。
そして描き続けていると、やがて蝶が形や色と思える時が来る。
熱中して色と形を追っかけている頃に蝶になる。
そのとき目からとろっと皮膜がなだれ落ちるようです。
落ちた後に、妙に厚ぼったいくもったものがついていたんだと感じる。
付いている時は感じないんですけどね。
写生を終えると蝶だけでなく、その他の世界もいくぶん新鮮に見える気がします。
posted by せいわ at 22:59| 石川 ☀|
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