2009年07月02日

愛についての100の物語

先日の日曜日に
21美の5周年記念展「愛についての100の物語」を見て来ました。

チケット1700円。 なかなか気軽に見に行ける値段ではなかったのでいつ見に行こうか迷っていました。
見ずにいようかとも・・。

それでもやはり地元民としても見に行くべきかと思って見に行ってきました。
あとで気づきましたが、ひとつの展覧会に1700円を払うのであれば、21美の会員に3000円、家族会員は5000円だから、一人2500円だし、会員になればよかったととても後悔しました。しかも今は事務手数料なる500円がタダということでした。

作家としては美術館にある程度のお金を払って見に行くという文化が育ってほしいと思うものの、若い作家がもっと気軽に見れるシステムを作れないものかと思いますね。作家がタダの日を1日設けるとかしたら、作家の交流も生まれて活気付いてよいのではないかなと思います。まあ3000円払って会員になればよいことですが、機を逸しています。


またちょうどこの日は、おかまの東郷健(自称)の講演会と川上未映子のパフォーマンスがあって、1700円の価値を上げるべくそれも見てきました。


愛についての100の物語は5周年記念展だけあって、少し気合が入っていたように思いました。良かったのは照屋勇賢、チェン・ジエレン、舟越桂、アニッシュ・カプーア、ラファエル・ロサノ=ヘメルあたりでしょうか。

 照屋勇賢は無造作に置かれた、もしくは置かれたように見えるように置いたバナナと何かのダンボール箱に小さな手作りの小船が水に浮かんで流れている映像を写している映像作品でした。ダンボールの底や側面に同じくダンボールの中に仕込んであるプロジェクターから映写されていていました。
 照屋勇賢の作品は好きなものが多いのですが、ダンボールに映し出される映像がとてもきれいで、ダンボールの底の形と同じ形に映し出された映像や、ダンボールに出来る段差や穴によって変化する映像が独特の揺らぎを感じさせることが小気味よく計算されていました。ダンボールに映像を写してみたときの発見がみずみずしく定着しているようで、小船が漂う映像がダンボールに映し出されているというアイデアを思いつきに留まらせず、裏打ちして作品として成立させているようで良いと思いました。

 チェン・ジエレンは台湾の作家で、あるゆっくりとした一定のスピードとトーンで廃墟になった台湾の縫製工場などを映し出している映像作品でした。時折出てくるうずたかく積み上げられた机や、整然と並べられた椅子が象徴的に扱われ、抑えられた色彩とカメラワークにひきつけられる作品でした。政治色が強く、脚色しすぎに思える部分もありましたが、惹きつけられる映像作品でした。

 カプーアの作品はおなじみの穴を見せる作品で、今回は渋い色合いの赤い液体が入れられた直計2mくらいの金属の容器がずっと回転している作品と白い穴の立体と大理石の作品でした。大理石の作品は良く分かりませんでしたが、眼前にあるにもかかわらず捉えられないという作品で相変わらずよかったです。

 舟越桂の作品は奥さんの胸像でした。昔に作ったもので写実性の強い作品でした。何ものをも意図しない強さがあるように思いました。余分なものが付随していない写実感といえば良いのかもしれません。それだけにいろんな言葉が時代によってつけられていくのではないかと思える作品でした。

ラファエル・ロサノ=ヘメルは鑑賞者の心拍のリズムを電球に転換する作品でした。ひとつの大きな部屋に273個の電球が整然と吊り下げられていて、見に来た人が一人ずつ、スタンドグリップを握ると心拍のリズムが電球に転換されます。心拍の強さによっても光の強さが変わって、自分の心拍が鑑賞者の心拍を転換するたびにひとつずつずれていく様子を見ているとなんとも不思議なインタラクティブ感がありました。


僕はこの4点だけでも満足しました。

さて、この展覧会のキーワードは“オープン・ダイアローグ”(開かれた対話)説明文には「ひとりひとりが一個人であること、そしてひとりがひとりと向き合って生まれる対話がコミュニケーションの単位であり、そのありようは無限であることをライブで考えます。物語とは、出会いの場で交わされる“オープン・ダイアローグ”そのもの。絶え間なく生成する対話によって、無限の物語があふれ出すでしょう。」とあります。問題は無限の物語が個々にいかに醸成されるかであり、今日良かった4点はその契機になりそうに思いました。




posted by せいわ at 21:28| 石川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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